白田会長の挨拶と講師紹介
映像を見ながら説明している小林達也講師
真剣な眼差しで映像を見つめる受講者
興味をそそる縦走の歴史~今年はどこの山に挑戦か?
現場主義に徹し悪戦苦闘しながら当日の記事を本社に送った小林講師~
今後ますますのご活躍を祈ります。
特記事項
今回の学習会の講師は山形新聞社報道部主任の小林達也氏です。同氏は山形新聞社で企画している夏山縦走登山に同行して取材し、その記事を連載するなど愛好会としては是非、その体験談をお聞きしたいとして今回の学習会になったものです。 講演は「山形の山を歩く」と題して話していただいたが、時間の関係から「飯豊山縦走」「朝日連峰縦走」「蔵王山縦走」及び「ヤラシャンポ同行取材」に的を絞り講演していただきました。それぞれの縦走の講演をする前に、取材中の動画を映し出したので聴講者もヤラシャンポを除いては、一度は登っている山なので当時を思いながら聴講することができました。 また、動画の中で小鳥のさえずりや風の音も聞き取れ楽しい学習会となりました。 【以下講演の要旨】 ・ 同行取材の主な任務は、一日ごとにリアルタイムに原稿や写真を本社に送ることにある。そのためには電源が何より重要となるため、発電機を背負って登らなければならない。その発電機は15~20キロもあり、そのほか衛星携帯電話などを含めると約40キロの重さになった。 その荷物は山大生のワンゲル部の人に背負ってもらった。また、通信手段として携帯電話の不感地帯もあるので衛星電話を使用した。 ・ すべての登山に吉田岳氏が同行し同氏おすすめのサンドイッチの昼食などに舌鼓を打った。また、飯豊縦走中に滑落事故に遭遇し、吉田氏が急遽救助に回ったことがあった。 ※ 吉田岳氏は、平成27年当会の学習会で講演した。 ・ 飯豊縦走中に雪渓の中に入り雪渓をのぞき込んでいるメンバーの写真を撮った。私には会心の1枚だったが新聞に載ることにより、まねをする人が出た場合危険だということで没になったことがある。また、飯豊では、偶然にも熊の姿をカメラに収めることができた。 ・ 蔵王縦走の下見の際、かもしか温泉で丁度良い湯加減の足湯を楽しんだ。しかし、本番の縦走でかもしか温泉に行ったところ熱くて足を入れられなかった。当時蔵王で初めて火山性微動が観測された時期なので、関係あるかはわからないが山は生きているものだと思った。 ・ 山小屋に到着して夕食になるが、私はそれからが本来の仕事で原稿や写真の送信をした。蔵王縦走中に少し体調が悪くなったことがあったが、それでも原稿を本社に送らなければならず記事を書いたことがある。 |
・ 縦走の行程で時には悪天候に見舞われ、やむなく山小屋での停滞を余儀なくされたことがあった。結果、それが良いほうになり翌日素晴らしい雲海に巡り合えたこともあった。 ・ 何回も同行取材をしているとお互い打ち解けあいカメラを向けるとポーズをとってくれるようになった。写真は、人物が入っていることがポイント なので前面やバックには必ず人物を入れて撮った。 ※ 画面に出てくる写真の説明で納得した。 ・ ヤラシャンポは、2001年と2007年の2回アタックして2回目で登頂に成功した、私はその成功したとき同行取材した。成功の一報が入った時ベースキャンプにいた県山岳連盟の会長は感激して男泣きしていた。 ・ 人はなぜ山に登るのか人それぞれだと思う。山で幸せを感じる瞬間は?と聞くと山頂に至った時。素晴らしい風景を眺めた時、きれいな花を見たとき、下山したとき‥などがあると思いますが、私は山の匂いを感じた時や冷たいビールを飲んだときなどです。ただ登るだけでなく自分はなぜ登るのか。どこに達成感を感じるのかなどを思いながら登山をしたほうが良いのではないか。 ・ 近年、日本百名山ブームなどもあり多くの登山者が登山を始めた。その一方山の事故も絶えない状況になっている。遭難に際しては山のプロが出動し、救助活動をして支えていることを忘れてはならない。そのためには準備を怠らず、万全の態勢で登らなければならないのではないか。 ・ 山形新聞社の縦走企画は山の魅力と危険性を伝えること。そして、記者の現場力を高めることである。困難な現場にはいち早く急行することが良い仕事につながることになる。そのために困難な縦走をすることにより体力、気力を養い現場力が高められるのではないか。その意味でも私はメンバーに加わることにしてきた。 |
***** 写真撮影 【 大 瀧 】 *****