8月19日(土) 鳥海山七高山(2229m)秡川~湯の台 |
遊佐町 体力度 中級 歩行時間8:40 距離9.9km
危険度 中級 上り1085m 下り1060m
東北地方で二番目の高峰、鳥海山。山頂に本社を祀る形式の大物忌神社は、出羽国一宮とし
て崇められてきた。日本海に浮かぶ酒田市の飛島には、鳥海山の山頂部が吹き飛んできて出来
た、あるいは鳥海に住む鬼が神罰を受けた際に飛んだ首によって出来たという伝承があり、それが島
の名前の由来になっているという考え方もある。また、飛島に祀られた小物忌神社は鳥海山の大物
忌神社と対をなしているという説もある。
今回は一般登山ではめったに歩けない登山愛好会ならではの秋田県側秡川登山口から山形
県側湯の台登山口への縦走コースになります。
【当日の主な経過】 | ||||||
県庁5:00==8:00矢島口登山口8:15~9:15賽の河原~10:00七ツ釜避難小屋 | ||||||
~11:10康新道(昼食50分)12:00~14:00七高山山頂14:15~14:50伏拝岳(分岐) | ||||||
~16:50河原宿小屋~18:40湯の台登山口19:00==21:50県庁 |
いまだに酷暑真っ只中ながら、いつしか暦は立秋が過ぎ処暑も近づくと、いかにも陽が短くなったことを実感する。 | ||||||||||
ようやく辺りが白めいた早朝の5時過ぎ県庁出発だ。東北自動車道を北方面に快適に飛ばして、秋田県院内まで | ||||||||||
所要僅か1時間45分。途中、法体の滝を通過して、8時過ぎに矢島口登山口駐車場に到着した。身支度を済ませ、 | ||||||||||
新入会員Sさんの自己紹介を頂く。今日は鳥海山を北から南へ縦走、暑くなる予感だ。 | ||||||||||
歩き始めてすぐの祓川ヒュッテに立ち寄り、登山ルート「康新道」内の崖崩れ、スズメバチの巣、藪漕ぎなど危険要素 | ||||||||||
を確認して問題なし。激藪の前情報はどうやら杞憂のようだった。プロローグは竜が原湿原の木道を、傍らのお花さん | ||||||||||
を愛でながら静かに歩を進める。祓川神社で、山に立ち入ることへの感謝と今日一日の無事を祈念する。 | ||||||||||
いよいよ今日の標高差1,050mの登りが始まった。最初から大岩の激坂が続き、シャツは大汗で大洪水。平坦な | ||||||||||
所は賽の河原ぐらいか、とにかく登り一辺倒で木陰を選びながら一服タイム。 | ||||||||||
七ツ釜避難小屋を程なく過ぎた分岐から、気合を入れて今日の核心部となる「康新道」へ突入した。右側は切れ落ちた | ||||||||||
断崖絶壁でその縁を慎重に歩く。辺りはガスガスで見晴らし無し。残念、晴れていれば対岸には雄大な稲倉岳が望 | ||||||||||
めるのだが。ガスの中、早めのランチタイムを済ませ、身軽になって歩き始めると間もなく、辺り一斉にガスが取れた。 | ||||||||||
乙女たちも青年たちも皆、甲高い歓声が鳥海の山に鳴り響く。 | ||||||||||
舎利坂からのルートと合流して、チョウカイフスマの大群生したザレ場をクリアーしてようやく14時に七高山山頂に | ||||||||||
登頂。皆とねぎらいのハイタッチ。そして記念写真の撮影会。ご褒美の360°大パノラマを楽しんだ後は、名残惜しくも | ||||||||||
標高差1030mの下山開始となる。あざみ坂を下り、二度の雪渓を横切って河原宿小屋への途中、何度も何度も後ろを | ||||||||||
振り返った。鳥海山、威風堂々、流石の雄姿だ。 | ||||||||||
八丁坂の下山途中、眼下に赤い屋根した滝の小屋を発見した時は、「もうすぐだ、頑張れ。」と自分に言い聞かせ | ||||||||||
ながら、重い足を引きずりながら歩いた。マイクロバスの待つ下山口でブルーシートに腰を下ろした時は、もう一歩も | ||||||||||
動けない程だった。バスに乗って山から降りる途中、夜のとばりがすっかり降りた町の小さな灯りがいくつも見えた。 | ||||||||||
そして赤川方面の花火大会も時折り遠くに小さく見えた。県庁には10時少し前に到着。県内熱中症警戒アラート発令 | ||||||||||
の中、15名全員無事に帰還出来たことは、何よりも代えがたく良かった。 | ||||||||||
追伸:今日の山行レベルは、酎(中)ハイでは物足りず、醸(上)造酒に変更願いたいものですね。 |
広い駐車場で準備OK、康新道コースも問題なしで無事スタート
いってきます。こちらの鳥海山は秋田富士
途中秡川神社で安全祈願
急登、岩場が多い本格的な登山道になる
康新道にて
さあいよいよ山頂アタック
七高山(2229m)登頂、やったー!
右手には新山(2236m)の溶岩ドームと大物忌神社
梯子場、薊坂を慎重に下る
稚児車が見送ってくれる
眼下には庄内平野と日本海
八丁坂を下り、滝の小屋で小休止、あと少しで湯の台のゴールだ!
鳥海山で出会った花①
大 エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)とシロバナトウウチソウ
(白花唐打草)、上右から オオイタドリ(大虎杖)、サワギキョウ
(沢桔梗)、ダイモンジソウ(大文字草)、ミヤマアキノキリンソウ
(深山秋の麒麟草)、ミズギク(水菊)
鳥海山で出会った花② モミジカラマツ(紅葉落葉松)、
ウゴアザミ(羽後薊)、イワイチョウ(岩銀杏)、
チョウカイアザミ(鳥海薊)
鳥海山で出会った花③ 大 イワギキョウ(岩桔梗) 、チョウカイフスマ (鳥海衾)
小 イワブクロ(岩袋) 、ミヤマシシウド(深山猪独活)、ハクサンシャジン(白山沙参)
鳥海山で出会った花④
大 ニッコウキスゲ(日光黄菅、禅庭花)、ホソバイワベンケイ
(細葉岩弁慶)、ハクサンフウロ(白山風露)、ミヤマリンドウ(深山竜胆)、
イワオトギリ(岩弟切)
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